スイス旅行記

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May

2011年5月4日(水)

ローザンヌ

アウトサイダー・アートの聖地、アール・ブリュット美術館へ

ローザンヌ夜景
 ローザンヌ駅に到着。今夜宿泊するファスビンド ホテル シティ ラウサネ (Hotel City Lausanne)へ向かう。古いホテルなのだが、そのせっかくの古さを生かしきれていないようだ。ホテルの口コミサイトで"Old but poor.(古い、でもボロい。)"と書かれていて笑ってしまったが、実際その通りだった。

のどが乾いたので何か飲みものでもと思い、散歩がてら売店を探しに出かけることにするが、夜もすでに遅く日本のようにいたるところに自動販売機があるわけでもない。あきらめきれずに地下鉄に乗って探しに行く事にする。大きな駅に行けば何かあるかも知れない。
前述したがスイスの地下鉄は改札口がなく、地上入り口とホームが直結している。そのため日本であれば地上の入り口にはその駅の名前が書いてあるのだが、スイスの場合は行き先(方面)が書いてある。行きたい方面の入り口のエレベーターを降りればそのまま地下鉄に乗れる仕組みなのだが、券売機もちゃんとあるところが不思議。みんな本当に切符を購入しているのだろうか? いくつめかの駅で自動販売機を見つけてジュースや水を購入、ホテルに戻り就寝。明日はパウルクレーセンターと並んで今回の旅行の目玉である「アール・ブリュット美術館」へ向かうことになっている。

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 翌朝、ホテルで朝食をとり雨の中トラムに乗りアール・ブリュット美術館へ。古い病院の施設をリノベーションしたという、こじんまりとした美術館である。美術家ジャン・デュビュッフェによって提唱された『精神病患者や社会的異端者であるアウトサイダーたちによる生の芸術』ばかりを集めた、かなりへんてこなコンセプトの美術館だ。現在では日本でもアウトサイダー・アートの展覧会が数多く開催されており、すっかり美術の一ジャンルとして定着している感もあるが、スイスのアール・ブリュット美術館こそがこの界隈のパイオニアなのである。アウトサイダー・アートファンにとっては聖地のような場所、身のひきしまる思いがする。

アール・ブリュット美術館
アール・ブリュット美術館(スイス政府観光局)

この美術館でもスイスパスを使って無料で入る事が出来た。入り口で簡単なレクチャーを受け(荷物はロッカーに、とかそんなの)館内に入ると、すでに異様な雰囲気が漂っていた。建物の壁が全て真っ黒に塗られているため、まるで人間の体内にいるかのような圧迫感を感じる。

アロイーズやローズ・オーベル、オーギュスタン・ルッサージュなど、アウトサイダー・アート界の代表的作品が所狭しと並んでいる。お目当てだったアンナ・ゼマンコヴァの作品も観ることが出来たので感無量である。すでに日本やフィンランドで大規模な展覧会を見ていたため特に新鮮味はなかったが、やはり発祥の地を訪れることが出来たのは大きい。

アンナ・ゼマンコヴァ(Anna Zemankova)
アンナ・ゼマンコヴァ

※写真はイメージです。実際に美術館にある作品ではない可能性があります。


美術館を出てぶらぶらと歩きながら、昼食をとるためCoopレストランを探す。ローザンヌのCoopレストランはインターラーケンオストのそれよりもずっと規模の大きなレストランだった。昼食をとったあと、午後からはローザンヌから船に乗り、モントルーまで行く予定である。

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